地震の予測マップと発震日予測

地震発生ヶ所をポイント予測し、度数分布から発震日を確率予測する

2019-05-28 地震の予測マップ ハワイ島ホットスポットと太平洋プレートの動き、海底模様の不思議!今日の地震解説

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= 最新地震情報月29日(M3.0以上、震度1以上)です =

Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、マップ上震源位置

 5月29日23時09分、釧路中南部でM3.5、深さ140km、震度1

 

 

 

今日の地震解説: ハワイ島ホットスポットと太平洋プレートの動き、海底模様の不思議!

 まず移動する太平洋プレートの動きを、移動しないハワイ島ホットスポットが海底に記録している内容です。

Wiki [Hawaiian–Emperor seamount chain - Wikipedia] と [天皇海山群 - Wikipedia] より(図中の説明は私):

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この海山列島は、北端はカムチャッカ半島の根元に至り、南端はハワイ海山群(主要なものは水面上に出てハワイ諸島を形成する)に繋がっている。海山は火山岩で構成されており、北に行くほど形成年代が古くなっている

ホットスポット上に生まれた海底火山により、現在のハワイの位置に生まれた島々は、太平洋プレートの移動に伴い海底へ沈んで海山群となっている。かつてはプレートが北に向かって移動していたため、南北に海山群を形成していったが、やがて4000万年ほど前から、移動する向きが西に変わったので、東西に海山群が生まれていくことになった。この4000万年以前に生まれ北北西‐南南東に連なる海山群を天皇海山群、4000万年前以降に生まれ西北西‐東南東に続く海山群をハワイ海山群と呼び、この二つを合わせてハワイ‐天皇海山列と呼ばれている。

 天皇海山群というのは、海山の名称に歴代天皇の名前を付けたからです(1954年アメリカの海洋学者ロバート・ディーツによる)。

 移動しない現在のハワイ島ホットスポットが、移動する太平洋プレートの履歴を海底に残している、という事です。

 それにしても不思議なのが背弧海盆です。 西に現在拡大中のマリアナ背弧海盆が見てとれ、その西には活動を停止した大きな四国海盆(うっすらと中央の海嶺が分かる)、その北から時計回りにやはり既に活動を停止している日本海・クリル海盆・アリューシャン海盆が在ります。 これら背弧海盆は、太平洋の西と北アジア側にしか見られず、アメリカ大陸側には存在しません。 理由は分かっていません。

 現在拡大中のマリアナ背弧海盆のすぐ北側に細長い海盆が在ります。 これは特に拡大中と言われておりませんが、私は、西島と硫黄島の火山活動が背弧海盆の活動を促し始めている、と見ています(ここに東進圧力の赤いマーク群が出ているからです)。 ここが東に拡大しますと、フィリピン海プレートの北西移動圧力が弱められ、南海トラフでの圧力が弱まる事になります。

 4000万年前に太平洋プレートが移動の方向を変えたのは、インドプレートがユーラシアプレートに衝突したからと言われています。 ここでインドプレートの動きは、Wiki [インド亜大陸 - Wikipedia] より:

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2f/Himalaya-formation.gif

インド亜大陸と北辺のヒマラヤ山脈は、インドプレートとユーラシアプレートの衝突の結果である(濃いピンク色の部分が現代のインド亜大陸)。

3800万年前辺りからユーラシアプレートを押し上げ始めています。

 

 しかし、最上位の太平洋プレート図を見て頂ければ分かるように、カルフォルニア西側に出ている縞状の帯は一体何なんでしょう?

太平洋の海底には不思議な縞模様や扇状の直線模様が多く、いつも気になります。 Goole Mapで見ると:

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であり、ハワイ島東側を拡大すると:

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こうなります。 この直線的な模様は一体何なのでしょうか?

 

 ひとつの可能性が、航跡波です。 ワイ島ホットスポットが作り出している航跡波ではなかろうか?という事です。 Wiki [航跡波 - Wikipedia] によれば、典型的な航跡波は:

小型の船舶が背後に作るケルヴィン波パターン

でして、一方これは島の上空の雲にも現れて:

ポセッション島をはじめとするクローゼー諸島マダガスカル南極大陸のほぼ中間点)上空の雲に現れた航跡パターン

となります。

ただし、太平洋プレートが北東に向かって移動しているのであれば、移動しないハワイ島から北東に伸びる扇状の直線パターンは航跡パターンである、と言えるのですが、太平洋プレートは北西に向かって移動していますので、これはチョット苦しいかもしれません。

もう少し考えてみます。

すくなくとも直近4000万年の間、太平洋プレートはハワイ島ホットスポットに北西方向へとぶつかり続けてきたので、北米・中米・南米大陸とハワイ島東側の海底には、何らかの痕跡が残ってしかるべき、なのです。 そして、ハワイ島から北東に広がるこの放射状の模様が痕跡なのです。 問題は、どうやって出来たのか?なのですが。

例えば、地殻最上部はリソスフェアで高剛性、その直下はアセノスフェア流動性があり:

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太平洋プレートが約90mm/年で移動していると言われるのは最上部のリソスフェアであり、その直下のアセノスフェアはもっと速く移動している訳で、高速のアセノスフェアがハワイ島ホットスポットに衝突して4000万年に渡って形成された反射波がリソスフェアに作用して作られた模様、である可能性もあります。

地震の予測マップにも謎の問題が出てきて良かった、と言えます。

お付き合い賜りまして、誠にありがとう御座いました。

 

 

 

 

そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。

 

= 以下、2019-05-28迄データ1年分による本日の地震の予測マップ =

マークは東進圧力、マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。

救急マークは海底プレート地殻内M5.0以上M5.5程度までの地震救急マークが通常のM5.0以上地震予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。

[防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網]、[気象庁|震源データ] を参照しています。

= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =

東進西進圧力表示・ピッチ36km予測マップです。

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ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。

南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。

 

= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =

東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ東域です。  凡例は36kmマップと同じ。

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次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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根室沖はM7.8〜8.5の確率が80%、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の確率が90%。  岩手沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。

 

東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。

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相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。

次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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相模トラフ北側の神奈川・千葉・東京・埼玉・茨城・栃木での救急マークは要注意、関東大地震関東大震災の再来でなく、M6.7〜7.3の確率が70%(南関東直下地震)。 茨木沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部]

 

東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ西域です。  凡例は36kmマップと同じ。

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南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。

次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベル、日向灘はM7.1前後の確率が70〜80%。[海溝で起こる地震 | 地震本部]

ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。

 和歌山と三重県境南東沖に出ている赤い救急マークは、日付2018_08_29  M3.3  N33.45  E136.17 深さ30km  の地震です。

 紀伊水道南側に出ている赤い救急マークは、日付2019_02_11  M3.8  N33.58  E134.45 深さ33km  の地震です。 

  30kmや33kmがプレート境界か?というと少し深い(フィリピン海プレート地殻内か?)と思います。 この深さが20km〜25kmとなるとプレート境界ですので少々危険となります。

参考までに西暦400年頃から現在まで日本における大地震を網羅する Wiki [地震の年表 (日本) - Wikipedia] より南海トラフ周辺を拡大すれば:

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過去1600年間に起きた日本の主な地震の震央。赤:M7以上、それ以外の地震青:死者有り紫:最大震度6以上

となります。

 

= まとめです =

 2017年の放出エネルギーは過去最低 、2018年は上昇、2019年は減少に転じています [2019-04 ここ26年間の地震放出エネルギーの推移 - 地震の予測マップ] 。

 2019年がどうなるか? もうしばらく見守る必要があります。

 ここで赤い救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。

 

という北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の超巨大地震が、いつ起きても不思議はないとの見方を示した。
北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の超巨大地震が、いつ起きても不思議はないとの見方を示した。
政府の地震調査委員「超巨大地震:北海道沖、M9地震予測 本州にも被害の恐れ」といった報道をするのであれば、注意喚起領域でM5.5クラスが来た時には「注意喚起情報」を出されるべきではないか、と思います。
政府の地震調査委員会

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら [テクニカル事項]

・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら [データ更新タイミング]

・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。

・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ [太陽黒点数の推移を追う]

= 以上です =

 

謝辞: 本予測は「気象庁文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。

免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。

引用:

[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。

[2] 防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網

[3] 気象庁|震源データ

[4] 地震情報 - Yahoo!天気・災害

[5] 過去巨大地震マップ - 地震の予測マップ

[6] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[7] こよみの計算 - 国立天文台暦計算室