地震の予測マップと発震日予測

地震発生ヶ所をポイント予測し、度数分布から発震日を確率予測する

2019-02-01 地震の予測マップ 地震のネイチャー:地震とは同時多発するものなのか?今日の寄り道

マークは東進圧力、マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。

救急マークはスロー起因によるM5.0以上M5.5程度までの地震救急マークが通常のM5.0以上地震予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。

以下、2019年2月1日までのデータ1年分による解析&予測です。 [2], [3]

 

= その前に最新地震情報2月2日(M2.0以上、震度1以上)です =

Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、の星が震源位置

 2月2日12時54分、長野中部でM2.7、深さ10km、震度1

 2月2日12時54分、熊本北部でM2.4、深さ10km、震度1

 

今日の寄り道: 地震のネイチャー:地震とは同時多発するものなのか?

 それはしないのです、大きな地震であればあるほど同時多発しないのです。

先日、摩訶不思議なドール・ハウス物語とか素敵な音楽とかのブログを操る「ひつじ(id:nyanteicafe)さん」から寄せられたコメントに質問が2点ありまして:

・ 地震の同時多発とか?

・ 地下核実験などされた時、予期せぬ地震発生に繋がる?

2点目の質問原文には ”ミサイルの地下実験” とありましたが、ミサイルを地下で実験する国はなく、核に置き換えています。 尚、今後地震そのものの説明に関する内容は ”地震のネイチャー(本来備えている性質の事)” として今後アップさせる予定です。

 空間的に異なる場所における地震の発生確率はポアソン分布に従う、というのがありまして、ポアソン分布とはWiki [ポアソン分布 - Wikipedia] にありますが、余震や誘発される地震を除くために空間的に異なる場所において、という条件を入れて多少書き直させて頂いて(Wikiさん、スミマセン):

空間的に異なる場所における離散的な自然現象(与えられた時間内において、0回、1回、2回、3回… と発生する現象)が同時に発生する確率は、一定である(極めて小さい数字・確率となる、という事)。

というものです。 歴史的に有名な例題というのがありまして、それは:

歴史的に有名な事例としては、ロシア生まれでドイツで活躍した経済学者、統計学謝のボルトキーヴィッチ(Владислав Иосифович Борткевич) による「プロイセン陸軍で馬に蹴られて死亡した兵士数」の例が知られている。ボルトキーヴィッチは著書"The Law of Small Numbers”において、プロセイン陸軍の14の騎兵連帯の中で、1875年から1894年にかけての20年間で馬に蹴られて死亡する兵士の数について調査しており、1年間当たりに換算した当該事案の発生件数の分布がポアソン分布によく従うことを示している。

異なる場所における地震の同時発生の確率とは、異なる場所で馬に蹴られて同時に死亡する兵士の確率、と同じと考えてよく、その確率はゼロではありませんが極めて小さいものとなります。

 私が地震の予測マップを始めて1年長になりますが、同時という観点からは、M3クラスで時分まで同じで場所が異なる(確か北海道と九州だったと思いますが)事例が一回あっただけです。 これがMが大きくなると地震単体の発生確率そのものが劇的に小さくなりますので、大きな地震であれば大きいほど同時の意味を一日に伸ばしたとしても同時発生確率は極めて小さくなります。

 しかし実際には、地震は空間的に同じまたは近い領域で、余震が多発するとか誘発されるという現象が多く、それが問題で、二番目の質問がこれに当たると思います。

地下核実験であれば、直近事例は北朝鮮が2017年9月に行った核実験であり、これはM6.1相当のエネルギーを放出しています [北朝鮮の核実験 (2017年9月) - Wikipedia] 。 従いまして、実験を行った朝鮮半島北東部で起きたM6.1が周囲にどのような影響を与えたか?という質問になります。

実験から一年半近くが経過して北朝鮮や中国北東部で大きな地震が起きたという話は聞きませんので、地震の誘発という観点からは影響はないのではないか、と思われます。

しかし実験場のある山が崩れ始めている、といった話はよく聞きます。

 

そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。

 

= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =

東進西進圧力表示・ピッチ36kmマップです。

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南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。

 

= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =

東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ東域です。  凡例は36kmマップと同じ。

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次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 根室沖はM7.8〜8.5の発生確率が80%と予想され、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の発生確率が90%と予想されています。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。

 

東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。

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相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。

次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 房総半島南とその沖と相模トラフの間の赤い救急マークは要注意です、関東大地震関東大震災の再来ではありませんが、M6.7〜7.3の発生確率が70%と予想されています。[海溝で起こる地震 | 地震本部]

 

東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ西域です。  凡例は36kmマップと同じ。

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南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。

次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベルですが、日向灘はM7.1前後の発生確率が70〜80%と予想されており、要注意です。[海溝で起こる地震 | 地震本部]

 

= まとめです =

 2017年の放出エネルギーは過去最低でしたが 、2018年は上昇しました [2019-01 ここ26年間の地震放出エネルギー推移 - 地震の予測マップ] 。

 2019年は、2018年と同等かそれ以上の地震エネルギーが放出されると思われます。

 ここで救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。

 

という北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の超巨大地震が、いつ起きても不思議はないとの見方を示した。
北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の超巨大地震が、いつ起きても不思議はないとの見方を示した。
政府の地震調査委員「超巨大地震:北海道沖、M9地震予測 本州にも被害の恐れ」といった報道をするのであれば、注意喚起領域でM5.5クラスが来た時には「注意喚起情報」を出されるべきではないか、と思います。
政府の地震調査委員会

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら [テクニカル事項]

・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら [データ更新タイミング]

・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。

・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ [2018-12 太陽黒点数の推移を追う!直近48ヶ月グラフ表示 - なぜ地球磁極は逆転するのか?]  

 

= 以上です =

 

謝辞: 本予測は「気象庁文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。

免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。

引用:

[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。

[2] 防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網

[3] 気象庁|震源データ

[4] 地震情報 - Yahoo!天気・災害

[5] 過去巨大地震マップ - 地震の予測マップ

[6] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[7] こよみの計算 - 国立天文台暦計算室