2019-04-25 地震の予測マップ 太平洋と大西洋ではプレート移動メカニズムが異なる?今日の地震解説
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= 最新地震情報4月26日(M3.0以上、震度1以上)です =
Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、マップ上★が震源位置
★ 4月26日04時04分、胆振でM3.3、深さ30km、震度2。
★ 4月26日23時51分、十勝沖でM3.9、深さ70km、震度1。
今日の地震解説: 太平洋と大西洋ではプレート移動メカニズムが異なる?
* 今日の解説は、太平洋と大西洋のプレート移動メカニズムの違いを考察、です。 お付き合い頂けますよう、よろしくお願い致します。
* まず、Wiki [海嶺 - Wikipedia] からです。
地球表面の地殻の下にあるマントルは、地球中心部の核に近い部分が温められ、表面に近い部分が冷却されるため、お椀に注がれた熱い味噌汁が対流しているようにゆっくり対流している(注意すべきはマントルは決して軟らかい液体でなく硬い固体である)。対流の速度と位置はほぼ一定しており、マントルの上昇してくる場所は決まっている。上昇してきたマントルは左右に分かれて、地殻の下を水平に動き、やがて冷やされて沈んでゆく。海洋底はマントルの動きに乗って、拡大し、移動し、ぶつかり合い、沈む。この海洋底が生成され、拡大している場所が中央海嶺に相当する。なお、陸塊は海洋底に比べて比重が小さく、ぶつかり合っても沈むことはない。1972年まではこのような海洋底拡大説が信じられていたが、海嶺に大きなフリーエア重力異常がないため、海嶺がマントル対流が上昇する場所であるという考えは否定された。
とあり、
重力異常があるのはホットスポットであり、ホットスポットこそがマントル対流が能動的にマントル中部やマントル下部から上昇する場所である。この意見は1990年以降のマントルトモグラフィーで証明された。海嶺でおこるマントル上昇は消極的なものであり、両側から引っ張られた空隙を埋める活動である。そのため、マントルトモグラフィーから観察される上昇流の根は100kmに達しない浅いものである。
とあります。 ですが、これがそのまま当てはまるのは太平洋でしょう。
重力異常とは、重力の実測値と標準重力の差であり、地下に高密度の岩石があると、重力値は標準重力値よりも大きくなり、低密度の岩石がある場合は小さくなる。これらから重力値を測定して、地下構造を推定することができる。
* wiki [プルームテクトニクス - Wikipedia] によれば太平洋のプルームモデルが示され:
ハワイとタヒチのホットスポットと日本海で沈み込むスラブが示されています。 従って、日本海で沈み込むスラブが太平洋プレートを北西に引き込んでいる、ということになります。 こうして太平洋における海嶺は非対称な形をしています。
尚、この図に出てくるコールドプルームは最後に再度出てきます。
* しかし、大西洋中央海嶺は極めて見事な対称形です。 加えて、スラブがありません。 南米ペルー・チリに南アメリカプレートが沈み込むスラブなんてありません、あるのは太平洋側のナスカプレートが沈み込む海溝です。 Wiki [プレートテクトニクス - Wikipedia] よりプレート構成を見れば分かるように:
ナスカプレートと南アメリカプレートの衝突はナスカの沈み込み境界で:
左がナスカ右が南米アメリカとなっており、大陸側にスラブは生成されません。
下図は対称性を示す Wiki [大西洋中央海嶺 - Wikipedia] の図です。
大西洋では中央海嶺から湧き出るマントルが左右対称に大西洋を拡大させる大西洋対流モデルで、スラブが海底プレートを引っ張り込むメカニズムは太平洋スラブモデルである、と見る事が出来ます。
* 英文Wiki [Mantle plume - Wikipedia] より世界のプルーム図を抜粋すると:
であり、大西洋中央海嶺上では北のアイスランド・南のトリスタンにホットスポットがあり、これが主たる原動力でスラブなしで大西洋を拡大させており、残る海嶺部分は積極的にマントルを上昇させていない可能性はあります。 大西洋中央海嶺の重力異常は、調べればすぐに分かると思いますが、私はどこに出ているのか分かりません。 いずれにせよ、大西洋対流モデルが、高剛性のメソスフェアを巻き込まないで流動性のアセノスフェアのみで対流を起こす詳細メカニズムは、現時点で私には分かりません(下図参照)。
* Wiki [マントル - Wikipedia] によれば、地球内部の構造は:
であり、アセノスフェア・マントル直下のメソスフェア・マントルは極めて固い高剛性で、私が以前に示した Wiki [マントル対流説 - Wikipedia] の図ですが:
・ これだけ綺麗なマントル全体の対流は起きていないだろう。
・ 大西洋中央海嶺はその対称性から何らかの対流を起こしていると思われるが、スラブは存在せず、スラブが記載されているこの図は、そのままは当てはまらない。
という事で、この図はそのままでは間違っている(大西洋には使えない)、と思われます。
* 最後に面白いのが、Wiki [プルームテクトニクス - Wikipedia] のコールドプルーム(一番先頭の図に提示)で:
コールドプルームとは、周辺のマントルより温度が低く、マントル表層から中心部へ向かって下降するプルーム。コールドプルームの成り立ちはプレートテクトニクスと深く関係がある。大陸プレートと衝突した海洋プレートは海溝からマントル中に沈み込み、沈み込んだプレートは徐々に周辺のマントルと一体化していくが、大部分が比較的低温のまま、外部マントルと内部マントルの境目の深さ670kmの部分でいったん滞留した後、さらに内部マントルの底を目指して沈んでいく。何かのきっかけで下降流が複数寄り集まった場合には、強く大きな下降流が発生する。これはスーパーコールドプルームと呼ばれ、現在はユーラシア大陸のアジア大陸側の下に存在している。スーパーコールドプルームは周辺のプレートを吸い寄せるため、陸地を1か所に集めて超大陸を形成する原動力にもなる。
とあり、このスーパーコールドプルームの動きによって次の世代の大陸構成が決定されるというもので:
浴槽に木の葉を浮かべて栓を抜いたときを想像すると理解しやすい。水に浮いた木の葉は水栓の上に吸い寄せられて集まるが、地球では比重の小さい大陸地殻がスーパーコールドプルームに吸い寄せられる。現在ではインド亜大陸がアジアと衝突し、アフリカ大陸やオーストラリア大陸もアジアに接近しつつある。今は太平洋によって隔てられているアメリカ大陸もアジアに向かって移動しており、約2億年後にはほとんどの大陸が合体した超大陸(アメイジア大陸)が生まれると想定されている。
一方で:
これとは逆に、将来的に新たなコールドプルームがユーラシア西部に出来ることで、大西洋が再び縮小に転じ、アメリカ大陸がユーラシア、アフリカ大陸の西岸に接近・合体するというシナリオもあり、これをパンゲア・ウルティマ大陸説と呼ぶ。
という事だそうです。
私は、2億年前にパンゲアが分裂を開始した時、太平洋は既に存在しており、大西洋はパンゲア分裂時に生成を開始した、と考えており、まあアメイジア大陸説が有力かと思っております。
そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。
= 以下、2019-04-25 迄データ1年分による本日の地震の予測マップ =
赤マークは東進圧力、青マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。
救急マークは海底プレート地殻内M5.0以上M5.5程度までの地震、救急マークが通常のM5.0以上地震を予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。
[防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網]、[気象庁|震源データ] を参照しています。
= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =
東進西進圧力表示・ピッチ36kmマップです。
ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。
南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。
= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ東域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
根室沖はM7.8〜8.5の確率が80%、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の確率が90%。 岩手沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。
相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震・関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。
次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
相模トラフ北側の神奈川・千葉・東京・埼玉・茨城・栃木での救急マークは要注意、関東大地震・関東大震災の再来でなく、M6.7〜7.3の確率が70%(南関東直下地震)。 茨木沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部]
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ西域です。 凡例は36kmマップと同じ。
南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。
次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベル、日向灘はM7.1前後の確率が70〜80%。[海溝で起こる地震 | 地震本部]
ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。
現在南海トラフ三重・和歌山県境南東沖に出ているひとつの赤い救急マークは、日付20180829 M3.3 N33.45 E136.17 深さ30km の地震です。 30kmがプレート境界か?というと少し深い(フィリピン海プレート地殻内か?)と思います。
= まとめです =
* 2017年の放出エネルギーは過去最低 、2018年は上昇、2019年は減少に転じています [2019-03 ここ26年間の地震放出エネルギー推移 - 地震の予測マップ] 。
* 2019年がどうなるか? もうしばらく見守る必要があります。
* ここで赤い救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。
最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。
・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら。 [テクニカル事項]
・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら。 [データ更新タイミング]
・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら。 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。
・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ。 [太陽黒点数の推移を追う]
= 以上です =
謝辞: 本予測は「気象庁・文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。
免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。
引用:
[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。
[3] 気象庁|震源データ
[6] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測