2019-03-13 地震の予測マップ 1946年昭和南海地震の救急マークを再現する!今日の地震解説
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赤マークは東進圧力、青マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。
救急マークはスロー起因等によるM5.0以上M5.5程度までの地震、救急マークが通常のM5.0以上地震を予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。
以下、2019年3月13日までのデータ1年分による解析&予測です。 [2], [3]
= その前に最新地震情報3月14日(M2.0以上、震度1以上)です =
Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、緑の星が震源位置
★ 3月14日14時06分、和歌山北部でM2.2、深さ10km、震度1。
★ 3月14日20時59分、千葉東方沖でM4.1、深さ50km、震度2。
★ 3月14日21時03分、千葉東方沖でM3.2、深さ50km、震度1。二回目
* 本日も和歌山陸域でM2.2と小規模地震がありました。 和歌山陸域ではM6や7クラスの大きな地震こそありませんが、中央構造線があるので、小中規模な地震は多いのです。 そして救急マークはM3.0以上を取り上げますので、和歌山・紀伊水道には救急マークが多数出現する事になります。
今日の地震解説: 1946年昭和南海地震の救急マークを再現する!
* 本日は1946年12月21日発生の昭和南海地震の救急マークマップを再現致します。 地震データは気象庁さんより、1923年データから公開されています [気象庁|震源データ] 。 但し、1946年当時と現在とではデータ数に違いが在り過ぎるくらい在ります。 これは観測点の数の違いから来るもので、当然にして、現在の方が多い。 加えて、これが最大の問題なのですが、マグネチュードMの測定感度が低く、測定出来ず、が非常に多い。 例えば、次が1946年12月20日、地震発生前日、まで一年間のM別地震データ数なのですが、
Mag: 3: count-> 43
Mag: 4: count-> 133
Mag: 5: count-> 46 Mag: 6: count-> 5 Mag: 7:count-> 0 Mag: 8:count-> 0
M3クラスがM4クラスより数が少ない、なんて事は、太陽が西から昇るのを見るくらいに有り得ない事なのです。 実際のデータを調べてみますと、M定義領域が空白となっているデータが数多くあり、「測定不能の場合は空白」と説明があります。 そしてM2クラスのデータは、在りません、ゼロです、Mはクラス3から始まるのです。 結局、M4クラス程度の大きさになって、初めて安定的に測定可能な状態となった測定器の時代であったのだろうと思います。
* ここで、救急マークとは、M3.0以上について測定しているのです。 で、このM3クラスが実態より少ないであろう事をどう補正するか? は、考えずに、そのまま救急マークマップを測定する事としました。 地震発生の前日までの一年間と、地震発生日までの一年間、の2マップで、1946年昭和南海は★マークと1945年三河地震と1944年昭和東南海と、約1年おきに発生した3地震を矢印で示します。
以下、1946年12月20日南海地震発生前日までの一年間・救急マーク
上図、紀伊半島上、南端から東側にかけて救急マークが出ている事に着目。
以下、1946年12月21日南海地震・発生当日までの一年間・救急マーク
* 南海地震の約1年前弱に発生した三河地震は痕跡が残っていますが、約2年前発生の1944年昭和東南海地震の痕跡は消えています(1年以上経過したから)。
ここで、ひとつ前の図である地震発生前日までの一年間データで着目すべきは「紀伊半島南端から東側」にかけて救急マークが出現している事です。
前震が期待できず、地震空白域と考えられる南海トラフ・南海域において、地震発生の事前注意情報として捉えられるのは、この「紀伊半島南端から東側」にかけて出現するであろう救急マーク群、であると言えます。 現在の救急マーク図を見て頂ければ分かるように、現在、紀伊半島上南側から東側にかけて救急マークはありません。 これが現れたら危険がまた一歩迫った、と解釈できます。
* 昨日、3月13日13時48分、紀伊水道でM5.2、深さ50km、震度4が発生しました。 紀伊水道では2018年11月2日にもM5.4、深さ44km、震度4が発生しています。 この時は、気象庁さんが「[気象庁|南海トラフ地震に関連する情報] (12月7日定例)」で、以下の如くフィリピン海プレート内地震であるとし、
11月2日に紀伊水道の深さ44kmを震源とするM5.4の地震が発生しました。この地震は、発震機構が東北東・西南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内で発生しました。
特に問題にはならない旨の見解を発表しています。 昨日3月13日の地震も同様に、紀伊水道は紀伊半島西側での発生なので、まだ東側の危険な領域には来ていない状況、と解釈できます。
被災地の日々をレポートする「ハッピー(id:happy-ok3)さん」が「心配です」と、昨日コメントを寄せられており、他にも多くの方が心配されていると思いますが、状況と致しましては、まだ普段と変わらない状況(気象庁さんによれば)という事になります。
* 結論として、M3クラスの発生回数が極めて少ない1946年データを解析した結果、紀伊半島上、南側から東側にかけて救急マーク群が出現したら危険により一歩近づいたと解釈すべき、となります。 現在、測定器感度は格段に向上しているので、出現する時は、一気により沢山現れる、と思います。
そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。
= 以下、2019-03-13データ1年分による地震の予測マップ =
= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =
東進西進圧力表示・ピッチ36kmマップです。
ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。
南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。
= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ東域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
根室沖はM7.8〜8.5の発生確率が80%と予想、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の発生確率が90%と予想。 岩手沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。
相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震・関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。
次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
相模トラフ北側の神奈川・千葉・東京・埼玉・茨城・栃木での救急マークは要注意、関東大地震・関東大震災の再来でなく、M6.7〜7.3の発生確率が70%と予想(南関東直下地震)。 茨木沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部]
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ西域です。 凡例は36kmマップと同じ。
南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。
次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベル、日向灘はM7.1前後の発生確率が70〜80%と予想されており、要注意。[海溝で起こる地震 | 地震本部]
ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。
= まとめです =
* 2017年の放出エネルギーは過去最低 、2018年は上昇、2019年は減少に転じています [2019-02 ここ26年間の地震放出エネルギー推移 - 地震の予測マップ] 。
* 2019年がどうなるか?、もうしばらく見守る必要があります。
* ここで赤い救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。
最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。
・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら。 [テクニカル事項]
・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら。 [データ更新タイミング]
・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら。 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。
・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ。 [太陽黒点数の推移を追う:3月度その2:太陽黒点数とSP500の推移 - なぜ地球磁極は逆転するのか?]
= 以上です =
謝辞: 本予測は「気象庁・文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。
免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。
引用:
[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。
[3] 気象庁|震源データ