2019-02-09 地震の予測マップ 気象庁地震火山部発表:南海トラフ地震の評価検討会・定例02-07まとめ!今日の解説
赤青マークマップ6km東域の地図が誤って昨日のマップのままでしたので、差し替えました、スミマセンでした。 2019/02/11/05:52
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赤マークは東進圧力、青マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。
救急マークはスロー起因によるM5.0以上M5.5程度までの地震、救急マークが通常のM5.0以上地震を予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。
以下、2019年2月9日までのデータ1年分による解析&予測です。 [2], [3]
= その前に最新地震情報2月10日(M2.0以上、震度1以上)です =
Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、緑の星が震源位置
★ 2月10日05時37分、福井沖でM3.2、深さ10km、震度2。
★ 2月10日09時54分、岩手沖でM3.6、深さ50km、震度1。
★ 2月10日10時30分、福島沖でM3.4、深さ30km、震度1。
★ 2月10日14時34分、奄美大島近海でM4.8、深さ40km、震度4。
★ 2月10日20時26分、青森東方沖でM3.1、深さ70km、震度1。
★ 2月10日21時03分、茨木沖でM3.8、深さ50km、震度1。
今日の解説: 気象庁地震火山部発表:南海トラフ地震の評価検討会・定例02-07まとめ!
* 2月の定例会が7日に行われ、同日、気象庁より1月分の報告書がアップされました! 02-07報告書はこちら [気象庁|南海トラフ地震に関連する情報] 、以下、簡単にまとめます。
1. 地震の観測状況ですが、特に目立った地震活動はなく、以下の深部低周波微動地震のみです。
(1) 四国西部で、 1月11日〜16日まで
(2) 紀伊半島中部で、1月18日〜23日まで
(3) 四国東部で、 1月23日から継続中
(4) 四国西部で、 2月1日から継続中
(5) 東海で、 2月3日から継続中
2. 地殻変動の観測状況として
上記(1)、(2)、(5)の深部低周波微動地震とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。また、周辺の傾斜データでも、わずかな変化が見られています。
3. 地殻活動の評価として
上記(1)、(2)、(5)の深部低周波微動地震と、ひずみと傾斜のデータに見られる変化は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
総合判断として:
観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。
要するに、特に異常な状態は観測されていない、と言っています。
固着状況というのはスロースリップしない固着領域の状況の事で、これがズレると大規模地震となります。 ここに変化は見られない、と言っています。
* 深部低周波微動地震とは何か?というと、Wiki [スロースリップ - Wikipedia] より、破壊を伴なわない地震にはスロースリップを含めて以下の3種があり:
深さ30 - 40 km - 深部低周波微動。P波S波の区別が不明瞭な周期0.5秒程度の振動現象で、数日程度継続する。
深さ30 km付近 - スロースリップイベント。地震動を生じない程度のゆっくりした断層のずれ運動。数年間継続することもある。
そのうちの一つ。
巨大地震の前にはスロースリップが起きると言いますが、スロースリップを事前に起こしてくれればその分エネルギーを事前解放してくれるので、破壊によるエネルギー放出量を少なくしてくれる効果があります。
地震を巡る旅の和歌山・奈良・三重の所で、南海トラフではほとんどすべてのプレート移動エネルギーが固着域に蓄えられると考えられている、とWikiは言っていましたが、これが少しでも低減される事はいい事なのです。
とは言え、巨大地震の前にはスロースリップが起きる、というのも事実なのですが。
そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。
= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =
東進西進圧力表示・ピッチ36kmマップです。
南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。
= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ東域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 根室沖はM7.8〜8.5の発生確率が80%と予想され、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の発生確率が90%と予想されています。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。
相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震・関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。
次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 相模トラフ北側の神奈川・千葉・東京・埼玉・茨木南部での救急マークは要注意です、関東大地震・関東大震災の再来ではありませんが、M6.7〜7.3の発生確率が70%と予想されています(南関東直下地震)。[海溝で起こる地震 | 地震本部]
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ西域です。 凡例は36kmマップと同じ。
南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。
次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベルですが、日向灘はM7.1前後の発生確率が70〜80%と予想されており、要注意です。[海溝で起こる地震 | 地震本部]
= まとめです =
* 2017年の放出エネルギーは過去最低でしたが 、2018年は上昇しました [2019-01 ここ26年間の地震放出エネルギー推移 - 地震の予測マップ] 。
* 2019年は、2018年と同等かそれ以上の地震エネルギーが放出されると思われます。
* ここで救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。
最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。
・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら。 [テクニカル事項]
・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら。 [データ更新タイミング]
・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら。 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。
・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ。 [2019-01 太陽黒点数の推移を追う!直近48ヶ月グラフ表示 - なぜ地球磁極は逆転するのか?]
= 以上です =
謝辞: 本予測は「気象庁・文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。
免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。
引用:
[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。
[3] 気象庁|震源データ