地震の予測マップと発震日予測

地震発生ヶ所をポイント予測し、度数分布から発震日を確率予測する

私が理解している地震モデル (ストレスと歪 線形&非線形)

  毎回報告する「地震の予測マップ」に書くと長くなるので、ここで私が理解している地震のモデルを述べておきます。

 

地震のモデル

   以下はwikipediaより引用した図で、金属棒を引っ張った時の破壊に至るモデルを示しています。[2] 「応力と歪」曲線と言うそうです。

"stress"とは応力の事で、"strain"が歪。 "yield"がここでは発生で、"fracture"が破壊です。

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  金属棒にストレスが掛かると最初線形に変形し歪は増加しますが、一定値を超えると歪は非線形に急拡大し破壊に至る、というものです。 当たり前の事を言っています。 図は張力ですが圧力でも同じで、地震も(線形領域と非線形領域に分けられる意味で)同じだろう、と思っています。 金属棒の破壊実験と地震で違うのは地震の場合、破壊のあと元の安定状態に戻る(サイクリックな動作をする)、という事でしょうか。

  変位(歪)は距離でストレスは力ですから掛けた数値「距離x力」はエネルギーです。 地震の場合、線形領域ではエネルギーを安定的に放出していますが、破壊に至る場合は一気に数百万倍から数億倍ものエネルギーを放出する事になります。 破壊時に放出量が大きいのは破壊時の変位量が安定時の微小変位に比べ桁違い決定的に大きいからです(X軸方向に大きく移動する)。

  本ブログでの地震予測は大地震に至る前の線形領域で発生している小さな地震に着目し、地表上の緯度経度一点一点について一年分の統計的(ヒストグラム)解析を行い結果表示して、地域全体の安定性/不安定性を知るものです。 大地震の前の小地震をもって大地震を予測する、というのは当たり前の事で誰しも考える事です。

  ただこれをリアルタイムかつ全国レベルでやろうとすると、これは難しかった(予測なのでリアルタイムでないと意味がない! 思いもかけない場所で地震は起こるから全国レベルでないと価値が下がる!)。 これが可能となったのはただただ一重に「気象庁一元化処理震源要素」データがリアルタイム全国レベルで入手可能となったからです。[1] その観測ポイントは全国で1000を超える世界でも類を見ない観測網と聞いております。 本予測以外にも色々なアプリケーションが出てくるのではないか、と思っております。

 

以上です。

 

引用:

[1] 防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網

[2] 応力-ひずみ曲線 - Wikipedia