2019-06-30 地震の予測マップ 防災科研さんの日本海溝海底地震津波観測網・S-netが全面稼働し始めた!今日の地震解説
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・ 記事のアップは毎週、月曜・火曜・木曜・土曜の午前零時半頃になります。
・ 当面、解説記事なし予測マップのみを、水曜・金曜・日曜の午前零時半頃にアップします。
・ 防災科研さんから午前零時に2日前の詳細データが公開され、もって1年分のデータ解析を行ないます、題名先頭にある日付が解析データ1年分の最終日です。
= 最新地震情報7月1日(M3.0以上かつ震度1以上)です =
Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、マップ上★が震源位置
★ 7月1日09時37分、青森東方沖でM5.1、深さ50km、震度2。
★ 7月1日10時04分、宮城沖でM4.1、深さ60km、震度1。
★ 7月1日10時10分、安芸灘でM3.1、深さ10km、震度2。
★ 7月1日11時23分、千葉東方沖でM3.6、深さ50km、震度1。
* 千葉東方沖とは九十九里浜沖ですから、ここで深さ50kmというとフィリピン海プレート・スラブ内地震という事になりますか。 フィリピン海プレートは、伊豆半島が楔形に日本列島に突き刺さっているので、伊豆半島東側では東進圧力として働きますが、太平洋プレートが勝っていて全体としては西進圧力になっています。
* 上記の地震、すべて西進圧力による破壊現象と言えます。 日本列島を覆っている東進の赤マークが徐々に西進の青マークへ置き換わりつつあります。
今日の地震解説: 防災科研さんの日本海溝海底地震津波観測網・S-netが全面稼働し始めた!
* 被災地の現状を連日レポートする「happy-ok3 (id:happy-ok3) さん」の先日のブログ:中段以降に:
地震計を海底に新たに設置し観測データを光ファイバーケーブルで気象庁に送るシステムを開発、北海道沖から千葉県房総沖にかけて その地震計を150個設置し、ケーブルで結ぶ「S-net」は27日正午から運用が始まった。
とあり、私はここでS-netなるものを始めて知りました。
そこで、本日はこれをフォローさせて頂き、防災科研さんS-netを紹介させて下さい。
* 日本海溝海底地震津波観測網 [NIED |海底地震津波観測網|日本海溝海底地震津波観測網:S-net] とは:
地震計と水圧計が一体となった観測装置を海底ケーブルで接続し、これを日本海溝から千島海溝海域に至る東日本太平洋沖に設置し、リアルタイムに24時間連続で観測データを取得します。観測装置は150カ所に設置し、ケーブル全長は約5,500kmになります。
観測網は5つの海域と日本海溝の外側にそれぞれ設置され、
① 房総沖 ② 茨城・福島沖 ③ 宮城・岩手沖 ④ 三陸沖北部 ⑤ 釧路・青森沖
⑥ 海溝軸外側(アウターライズ)
観測網の基本構成は、
漁業操業海域(1,500m以浅)では、海底に深さ1m程度の溝を掘り、その中にケーブルと観測装置を設置
とあります。
* 効果として [NIED|日本海溝海底地震津波観測網整備事業|整備計画] より 津波と地震の発生を早期検知(猶予時間の確保)を挙げており:
東日本太平洋沖合で発生する津波を津波計(水圧計)で直接検知し、従来よりも精度の高い迅速な津波の予測に貢献します。例えば日本海溝付近で津波が発生した場合、これまでより20分程早く津波を実測・検知して情報発信、沿岸へ到達前に津波高を高精度に即時予測することを可能にします。また、日本海溝付近で発生した地震の場合、これまでより30秒程早く地震動を早期検知して情報発信、緊急地震速報の高度化、早期の避難行動等被害の軽減に貢献します。
これまでより、30秒早く地震動を、20分早く津波を検知する、という事は素晴らしいです。
* 領域として、釧路沖(ここは千島海溝、M7.8-M8.5の確率80%)と、青森沖(M7.0-M7.5の確率90%)と、房総沖(発生確率不明な領域)と、アウターライズ(震度はそれほどでもない津波地震を発生させやすい)と、各領域入っているのが素晴らしい。
防災科研さんはリアルタイム応答システムに強い印象を私は持っていて、確率だ、予測だ、予知だ、とかナンダカンダ言っても結局 最後は地震発生を1秒でも早くより正確に知る で決まるのです。
* 部分的には稼働していたようですが、2011年から8年の歳月をかけて全面稼働に至った、という事です。
・ 3.11での津波到達時間は約20分であり、S-netにより津波を20分早く検知できるようになった、という意味は、津波の到達時間と高さが地震発生直後により正確に予測する事が出来るようになった、という事だと思います。
・ 加えて、津波は第一波は最高値ではなく後段で最高値が来ますので、水圧計が連結して配列されている所から、到達する津波高を常時リアルタイムで即時予測する、という事です。
そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。
= 以下、2019-06-30 迄データ1年分による本日の地震の予測マップ =
赤マークは東進圧力、青マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。
救急マークは海底プレート地殻内M5.0以上M5.5程度までの地震、救急マークが通常のM5.0以上地震を予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。
[防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網]、[気象庁|震源データ] を参照しています。
= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =
東進西進圧力表示・ピッチ36km予測マップです。
ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。
= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =
東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ東域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
根室沖はM7.8〜8.5の確率が80%、青森県東方沖&岩手県沖北部はM7.1〜7.6の確率が90% [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率(以下同様)
参考まで西暦400年頃からの大地震マップ [地震の年表 (日本) - Wikipedia] 東域は:
過去1600年間に起きた日本の主な地震の震央。赤:M7以上、それ以外の地震で青:死者有り、紫:最大震度6以上。 以下、同様。
東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
南関東直下地震M6.7〜7.3の確率が70%。 [海溝で起こる地震 | 地震本部]
参考まで西暦400年頃からの大地震マップ [地震の年表 (日本) - Wikipedia] 中域は:
東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ西域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
日向灘はM7.1前後の確率が70〜80%。[海溝で起こる地震 | 地震本部]
ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。
参考まで西暦400年頃からの大地震マップ [地震の年表 (日本) - Wikipedia] 西域は:
となります。
= まとめです =
* 2017年の放出エネルギーは過去最低 、2018年は上昇、2019年は5月現在多少ですが減少に転じています [2019-05 地震の予測マップ ここ26年間の北西太平洋地域・地震放出エネルギー推移を観測する! - 地震の予測マップ] 。
* 2019年がどうなるか? もうしばらく見守る必要があります。
* ここで赤い救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。
最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。
・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら。 [テクニカル事項]
・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら。 [データ更新タイミング]
・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら。 [地殻変動情報] javaがインストールされている必要があります。
・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ。 [太陽黒点数の推移を追う]
= 以上です =
謝辞: 本予測は「気象庁・文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。
免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。
引用:
[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。
[3] 気象庁|震源データ