地震の予測マップと発震日予測

地震発生ヶ所をポイント予測し、度数分布から発震日を確率予測する

2019-05-16 地震の予測マップ 気象庁地震火山部発表:南海トラフ地震の評価検討会・定例05-13まとめ!今月の地震報告

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= 最新地震情報月17日(M3.0以上、震度1以上)です =

Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、マップ上震源位置

 5月17日01時04分、岩手沖でM3.9、深さ40km、震度1

 5月17日14時42分、島根西部でM3.4、深さ10km、震度2。

 5月17日23時01分、小笠原諸島西方沖でM4.5、深さ450km、震度1

 

 

今月の地震報告: 気象庁地震火山部発表:南海トラフ地震の評価検討会・定例05-13まとめ!

 5月の定例会が13日に行われ、同日、気象庁より報告書がアップされました! 05-13報告書はこちら [気象庁|南海トラフ地震に関連する情報] 、以下、簡単にまとめます(抜粋しています)。

1. 地震の観測状況として:

 5月10日08時48分に日向灘の深さ25kmを震源とするM6.3の地震が発生しました。また、この地震発生前の同日07時43分にほぼ同じ場所でM5.6の地震が発生しました。これらの地震は、発震機構が西北西・東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生しました。
 5月11日08時59分に、日向灘の深さ36kmを震源とするM5.0の地震が発生しました。この地震は、発震機構が東西方向に張力軸を持つ型で、フィリピン海プレート内部で発生ました。

 プレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)のうち、主なものは以下のとおりです。
(1)紀伊半島西部:3月29日から4月2日まで
(2)紀伊半島中部:4月1日から4月7日まで
(3)東海:4月6日から4月7日まで
(4)四国西部:4月17日から4月21日まで
(5)四国中部から東部:5月2日から継続中

2. 地殻変動の観測状況として: スキップ by 私

3. 地殻活動の評価として:

 5月10日に発生した日向灘の2回の地震、5月11日に発生した日向灘地震は、その規模等から南海トラフ沿いのプレート間の固着状態の特段の変化を示す現象ではないと考えられます。
 上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
 その他の今回観測された深部低周波地震(微動)、短期的ゆっくりすべり、および長期的ゆっくりすべりは、それぞれ、従来からも繰り返し観測されてきた現象です。

4. 総合判断として

 上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。

解説: 

 要するに、特に異常な状態は観測されていない、と言っています。

固着状況というのは、プレート境界において、スロースリップしない固着域の状況の事で、これがズレると大規模地震となります(プレート境界型地震)。 ここに変化は見られない、と言っています。 固着域とは、Wiki [スロースリップ - Wikipedia] によれば:

海溝付近のプレート境界の断面図。いくつかのパターンを示した。

1.大陸プレート

2.付加体

3.海洋プレート

4.安定すべり域

5.固着域

6.遷移領域

スロースリップのほとんどは黄色で示した6.遷移領域で起こる。

 深部低周波微動地震とは何か?というと、以下の3種類を総称してスロースリップと呼んでおり、そのうちの1種です。 日向灘から四国東方沖にかけて発生するスロースリップは破壊を伴わない特徴があります(房総半島沖のスロースリップは破壊を伴う、このように発生場所によりスロースリップの動作状況は異なる):

① 深さ30 - 40 km - 深部低周波微動。P波S波の区別が不明瞭な周期0.5秒程度の振動現象で、数日程度継続する。

② 深さ30 km付近 - スロースリップイベント地震動を生じない程度のゆっくりした断層のずれ運動。数年間継続することもある。

③ 深さ5 km付近 - 低周波地震。1秒より短い周期の成分を含まない10秒程度の周期の地震

南海トラフ評価検討会では、東海(浜松沖から駿河湾)にかけてのスロースリップを異常な現象と捉えており、現在ここで観測されている日向灘から四国東方沖にかけてのスロースリップ異常な現象とは捉えていません

4月6日〜7日にかけて東海で深部低周波地震(微動)が観測されていますが、まだ問題となるレベルではない、という事でしょう。

 いずれにせよ、日向灘の一連の地震はヒヤッとさせるものがありましたが、まだ大丈夫、という事でしょう。

 

* 地殻変動マップ:国土地理院

 さて、国土地理院さんが作成・公開しているGPSによる地殻変動マップなるものがありまして、一番下にリンク先を貼っているのですが、今回、参考までに4月27日迄の一年間の地殻変動マップを載せます(5月10日・日向灘地震M6.3の約2週間前):

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 クレジット:国土地理院

 このマップの見方はクセがありまして:

 基準点は九州西端の五島列島・福江で、地殻変動マップは基準点をどこに取るかで様変わりしますので、注意が必要です。

 移動量は左上凡例の赤い横線の長さが 10mm/年 です。

 西からいきますと、宮古島〜鹿児島にかけて南南東方向への変位が見られ、これが沖縄背弧海盆による南南東方向への拡大圧力です。 宮古島で年50mm程度、鹿児島で年10mm弱の南方変位です。

 宮崎沿岸は西南西へ向かい移動しており、フィリピン海プレートの西進圧力と沖縄背弧海盆による南南東拡大圧力との合成、となっています。

 沖縄本島東方の南大東島・四国南端の足摺岬室戸岬紀伊半島南端の潮岬は、フィリピン海プレートによる西北西変位圧力を受けています。

 三宅島・八丈島青ヶ島・父島・母島・南鳥島は太平洋プレートによる西北西変位圧力を受けています。

 硫黄島は火山活動による変位を受けて、例外的な動きをしています。

 宮城・山形を中心とする東北地方は、3.11の反動により東南東への変位圧力を受けいています。 50mm/年くらいですが、これは福江から見てで、東北全体が動いていますので、大きな地震には至りません(発生するのはスラブ内の深い地震)で、安定しています。

 島根沖の壱岐の島・能登半島佐渡ヶ島にかけての日本海側では、西方から東方へへと変位圧力方向が180°変化しています。 現在、日本海側の鳥取から福井にかけて赤マークの東進圧力が出ているのは、これが原因と思われます。

 そして北海道・青森は太平洋プレートによる西進変位圧力を受けています。

この地殻変動マップは、福江から見た変動で、かつ地殻表面の変位です。 赤青マークは、ある地点における深さ130kmまでのM3.0以上地震を測定した結果の東西方向圧力アンバランスを表示していますので、地殻変動はその一部となっています。

お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました。

 

 

 

 

そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。

 

= 以下、2019-05-16 迄データ1年分による本日の地震の予測マップ =

マークは東進圧力、マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。

救急マークは海底プレート地殻内M5.0以上M5.5程度までの地震救急マークが通常のM5.0以上地震予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。

[防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網]、[気象庁|震源データ] を参照しています。

= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =

東進西進圧力表示・ピッチ36km予測マップです。

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ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。

南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。

 

= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =

東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ東域です。  凡例は36kmマップと同じ。

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次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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根室沖はM7.8〜8.5の確率が80%、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の確率が90%。  岩手沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。

 

東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。

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相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。

次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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相模トラフ北側の神奈川・千葉・東京・埼玉・茨城・栃木での救急マークは要注意、関東大地震関東大震災の再来でなく、M6.7〜7.3の確率が70%(南関東直下地震)。 茨木沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部]

 

東進西進圧力表示・ピッチ6km予測マップ西域です。  凡例は36kmマップと同じ。

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南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。

次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度の地震注意、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベル、日向灘はM7.1前後の確率が70〜80%。[海溝で起こる地震 | 地震本部]

ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。

現在南海トラフ三重・和歌山県境南東沖に出ているひとつの赤い救急マークは、日付20180829  M3.3  N33.45  E136.17 深さ30km  の地震です。 30kmがプレート境界か?というと少し深い(フィリピン海プレート地殻内か?)と思います。

 

= まとめです =

 2017年の放出エネルギーは過去最低 、2018年は上昇、2019年は減少に転じています [2019-04 ここ26年間の地震放出エネルギーの推移 - 地震の予測マップ] 。

 2019年がどうなるか? もうしばらく見守る必要があります。

 ここで赤い救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。

 

という北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の超巨大地震が、いつ起きても不思議はないとの見方を示した。
北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の超巨大地震が、いつ起きても不思議はないとの見方を示した。
政府の地震調査委員「超巨大地震:北海道沖、M9地震予測 本州にも被害の恐れ」といった報道をするのであれば、注意喚起領域でM5.5クラスが来た時には「注意喚起情報」を出されるべきではないか、と思います。
政府の地震調査委員会

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら [テクニカル事項]

・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら [データ更新タイミング]

・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。

・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ [太陽黒点数の推移を追う]

= 以上です =

 

謝辞: 本予測は「気象庁文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。

免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。

引用:

[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。

[2] 防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網

[3] 気象庁|震源データ

[4] 地震情報 - Yahoo!天気・災害

[5] 過去巨大地震マップ - 地震の予測マップ

[6] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[7] こよみの計算 - 国立天文台暦計算室