2019-03-05 地震の予測マップ 分水嶺とバタフライ効果と閾値と散逸構造と地震サイクルと!今日の寄り道
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赤マークは東進圧力、青マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。
救急マークはスロー起因によるM5.0以上M5.5程度までの地震、救急マークが通常のM5.0以上地震を予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。
以下、2019年3月5日までのデータ1年分による解析&予測です。 [2], [3]
= その前に最新地震情報3月6日(M2.0以上、震度1以上)です =
Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、緑の星が震源位置
★ 3月6日03時05分、胆振でM2.6、深さ30km、震度1。
★ 3月6日04時42分、宮城沖でM3.4、深さ60km、震度1。
★ 3月6日06時18分、日向灘でM3.8、深さ40km、震度2。来ました!
★ 3月6日11時09分、長野南部でM2.4、深さはごく浅く、震度1。
今日の寄り道: 分水嶺とバタフライ効果と閾値と散逸構造と地震サイクルと!
* 自然界には色々な系があって、特徴的な振る舞いを我々に見せてくれています。 本日の寄り道は、思い付くままに、自然界の特徴的な振る舞いを見てみよう、です。 よろしくお願い致します。
* まず分水嶺から行きます。 尾根に雨が降るとほんのチョットした違いで日本海に出るか太平洋に出るかが決まってしまう分水嶺、です。 Wiki [分水界 - Wikipedia] を調べると分水界と言うそうで(私は知りませんでした)、
分水界とは、異なる水系の境界線を指す地理用語である。山岳においては稜線と分水界が一致していることが多く、分水嶺とも呼ばれる。
で、世界を分割する分水界とは:
なるほど、日本列島はすべて太平洋水界に属していました。 即ち、これTPPですね。
海洋へ流入しない分水界はグレーで示されていて、エジプトではナイル川西岸からがそうなのでしょう、アンデス山脈西側にも海洋から独立した細長い水界アタマカ砂漠が生成されていてアルマ天文台があります。
* 次にカオスのバタフライ効果ですが、Wiki [バタフライ効果 - Wikipedia] 、これはカオスの初期値敏感性というひとつの特徴を現す表現で、
1961年にエドワード・ローレンツが計算機上で数値予測プログラムを実行していた時のこと、最初ローレンツはある入力値を「0.506127」とした上で天気予測プログラムを実行し、予想される天気のパターンを得た。このときのコンピュータのアウトプットは、スペースの節約から、入力値が四捨五入された「0.506」までしか打ち出されないものであった。ローレンツは、もう一度同じ計算をさせるため、特に気に留めずに、打ち出された方の値「0.506」を入力して計算を開始させた。計算が終えるまでコーヒーを飲みに行き、しばらく後に戻って2度目の計算結果を見てみると、予測される天気のパターンは一回目の計算とまったく異なったものになっていた。ローレンツはコンピュータが壊れたと最初は考えたが、データを調べていく内に入力値のわずかな差によるものだと気づいた。この結果から、もし本物の大気もこの計算モデルのような振る舞いを起こすものならば、大気の状態値の観測誤差などが存在する限り気象の長期予想は不可能になることを思い付き、初期値鋭敏性と長期予測不能性のアイデアを持つようになる。
やがて、これは「アマゾンの奥地で蝶が羽ばたくか否かが、テキサスで竜巻を引き起こすか否かを決定する初期値と成り得る」として、
バタフライ効果という名称で世に広く知られるようになる、カオスの持つ性質の一面です。 一方、TVの天気予報は1〜2日程度の予測であり、予測可能な短期に属しています。
* 閾値(しきい値、Threshold スレッシュホールド)は色々な分野で使われる用語で、境目を意味しますが、これを超える前と後では状態がガラッと変わる性質を言います。 閾値を超えて状態が変化した後、なんらかの条件が合えば元の状態に戻る事もありますが、戻らない例を挙げますと、花粉症、です。 但し、これは私見です。 Wikiで閾値を調べても花粉症は出てきませんし、花粉症を調べても閾値なる言葉は出てきません。 以下は花粉の電子顕微鏡写真です。
何らかの理由で、この恐ろしい花粉を異物として認識・記憶する事になるとアレルギー反応を起こす体質となり、元には戻りません。 これは外部から見ると閾値を超えた状態、と理解できます。
* さて散逸構造は面白いです。 Wiki [散逸構造 - Wikipedia] によると、
散逸構造とは、熱力学的に平衡でない状態にある開放系構造を指す。すなわち、エネルギーが散逸していく流れの中に自己組織化のもと発生する、定常的な構造である。イリヤ・プリコジンが提唱し、ノーベル賞を受賞した。
散逸構造は、岩石のようにそれ自体で安定した自らの構造を保っているような構造とは異なり、例えば潮という運動エネルギーが流れ込むことによって生じる内海の渦潮のように、一定の入力のあるときにだけその構造が維持され続けるようなものを指す。
味噌汁が冷えていくときや、太陽の表面で起こっているべナール対流の中に生成される自己組織化されたパターンを持ったべナール・セルの模様なども、散逸構造の一例である。またプラズマの中に自然に生まれる構造や、宇宙の大規模構造に見られる超空洞が連鎖したパンケーキ状の空洞のパターンも、散逸構造生成の結果である。
有名な自己組織化の例が、 Wiki [ベロウソフ・ジャボチンスキー反応 - Wikipedia] といわれる反応系で、
化学反応の一種、系内に存在するいくつかの物質の濃度が周期的に変化する非線形的振動反応の代表的な例として知られている。この反応などの振動反応は平衡熱力学の理論が成り立たない非平衡熱力学分野の代表例である。反応溶液の色が数十秒程度の周期で変化する点が演示実験向きであるためしばしば利用されている。
シャーレ内で進むベロウソフ・ジャボチンスキー反応。80秒、160秒と時間が進むにつれて、右上の同心円状パターンが広がっていく様子が観察できる。
即ち、自己組織化とは、外部からエネルギーを加えると振動を開始し周期構造的な組織を自己生成する自然現象を言います。 ここで、雪の結晶は規則構造はあるが低温下する際により安定化した状態になった結果であって散逸構造とは言わないのだろう、だいたい振動していない、だけど台風や竜巻は散逸構造なのかな? と思います。 さて、
イリヤ・プリコジンはモスクワに生まれベルギーに移住した自然科学者、音楽の才能もあって世界的なピアニストのウラジミール・アシュケナージの父でやはりピアニストのダヴィッド・アシュケナージに師事して、大学就学前にピアノ国際コンクールで優勝している多彩な人物。
であり、音楽の才を示す自然科学者というのは非常に多いのですが、
プリゴジンの主張は既存の物理を過度に否定的に捉えており、また既存の物理に代わるとする彼の提案もレトリカルな部分が多く本質を捉え損ねている、という批判は物理学者の中からも存在しており、評価が非常に分かれている。
という事だそうです。
* さて、最後に地震サイクルについて考えてみます。 地震とは破壊現象なのであって、一番わかり易い金属の張力破壊に現れる応力ひずみ曲線が [応力ひずみ曲線 : だいちゃんガレージ] 様に掲載されておりまして、そこから掲載させて頂きますと、
それは、線形に変位し元に戻り得る弾性変形の領域と、それ以上に応力がかかると塑性変形してもはや元には戻らない非線形な部分に分けられ、最後に張力下金属では破断、地震では破壊が生じてエネルギーを解放します。
ここで地震の場合、破壊を起こした後、原点状態に戻ります。 シレっと新しい原点に戻りまた次の地震に向けての第一日目を開始します。 これが地震サイクルで、活断層による地震もプレート境界でも同じ事です。
分水界もバタフライ効果も連続量の世界です。 閾値と地震サイクルは不連続の世界です。 散逸構造の世界は?というと、非線形である事は間違いないのですが(上記例はすべて非線形の世界)、私は連続の世界では?と思っており、そこにはジャンプ(閾値)や破壊(地震)という現象が必要条件ではないのだろう、と。
そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。
= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =
東進西進圧力表示・ピッチ36kmマップです。
ピンクの小さな★マークは、南海トラフ巨大地震発生ヶ所で、西から、1854安政南海M8.4、1946昭和南海M8.4、1707宝永M8.6、1944昭和東南海M8.2、1854安政東海M8.4。
南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。
= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ東域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
根室沖はM7.8〜8.5の発生確率が80%と予想、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の発生確率が90%と予想。 岩手沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。
相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震・関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。
次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
相模トラフ北側の神奈川・千葉・東京・埼玉・茨城・栃木での救急マークは要注意、関東大地震・関東大震災の再来でなく、M6.7〜7.3の発生確率が70%と予想(南関東直下地震)。 茨木沖・日本海溝東側の救急マークはアウターライズ地震に注意。 [海溝で起こる地震 | 地震本部]
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ西域です。 凡例は36kmマップと同じ。
南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。
次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベル、日向灘はM7.1前後の発生確率が70〜80%と予想されており、要注意。[海溝で起こる地震 | 地震本部]
= まとめです =
* 2017年の放出エネルギーは過去最低 、2018年は上昇、2019年は減少に転じています [2019-02 ここ26年間の地震放出エネルギー推移 - 地震の予測マップ] 。
* 2019年がどうなるか?、もうしばらく見守る必要があります。
* ここで救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。
最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。
・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら。 [テクニカル事項]
・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら。 [データ更新タイミング]
・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら。 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。
・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ。 [太陽黒点数の推移を追う:3月度その2:太陽黒点数とSP500の推移 - なぜ地球磁極は逆転するのか?]
= 以上です =
謝辞: 本予測は「気象庁・文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。
免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。
引用:
[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。
[3] 気象庁|震源データ