地震の予測マップと発震日予測

地震発生ヶ所をポイント予測し、度数分布から発震日を確率予測する

2019-02-05 地震の予測マップ 地震予測:はたして東京湾に地震津波は来るのか?今日の寄り道

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マークは東進圧力、マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。

救急マークはスロー起因によるM5.0以上M5.5程度までの地震救急マークが通常のM5.0以上地震予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。

以下、2019年2月5日までのデータ1年分による解析&予測です。 [2], [3]

 

= その前に最新地震情報2月6日(M2.0以上、震度1以上)です =

Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、の星が震源位置

 2月6日01時52分、千葉東方沖でM4.0、深さ30km、震度1

 2月6日02時00分、大隅半島東方沖でM4.1、深さ60km、震度1

 2月6日03時54分、長野中部でM2.4、深さはごく浅く、震度1

 2月6日10時14分、神奈川西部でM3.3、深さ10km、震度2。

 2月6日17時26分、茨木南部でM3.6、深さ40km、震度2。

 2月6日19時25分、栃木北部でM2.1、深さ10km、震度1

 2月6日20時11分、石垣島近海でM4.7、深さ50km、震度1

 2月6日23時10分、胆振中東部でM2.8、深さ40km、震度1

 

今日の寄り道: 地震予測:はたして東京湾地震津波は来るのか?

 先日、貼り絵日記の日々を語る「チャーコ (id:harienikki) さん」から心配事を頂戴致しました:

首都圏直下の場合、東京湾内で繰り返し津波が起きると、、、

私はその場で根拠を示す事もなく ”津波は起きないでしょう” とお答えしたのですが、それは一寸マズいので、本日は「はたして東京湾地震津波は来るのか?」について分析致したく。 お付き合い頂けますよう、よろしくお願い致します。

 今回は言葉の定義が重要となります。 まず首都直下地震で行きます。 これはチャーコさんが使った首都圏直下地震とは異なり、先日報告した通り [2019-02-03 地震の予測マップ 首都直下地震とは何の地震を指しているのか?今日の寄り道 - 地震の予測マップ] 首都における防災対策の立案と施工を目的とした仮想の地震です。

では、この仮想の地震が発生したとして、東京湾にどの程度の津波が発生する、と分析されたのか? ここで国と東京都の資料をいくら調べても東京湾における首都直下地震による津波被害なるものはありません。 これは、まぁそうかな、と思います、東京23区直下で地震が起きても津波は来ないでしょう、津波は海底そのものが激しく揺れませんと発生しません。

 それでは首都圏直下地震ではどうか?となりますが、首都圏という事ですと先日報告した南関東直下地震 [2019-02-02 地震の予測マップ 地震注意喚起報!南関東直下地震の領域に救急マークが急拡大!今日の解説 - 地震の予測マップ] の安政江戸地震に加え、元禄と大正の関東大地震の計3件が、東京湾津波発生した可能性がある地震となり、その3件をまとめますと:

 1703年 元禄関東大地震 M8.2 [元禄地震 - Wikipedia] :震源は房総半島南端の千葉県野島岬で相模トラフのプレート境界地震地震1週間後に江戸で火災が発生、死者22万人(1週間後の火災も含め)、相模湾沿いと房総半島南部での被害が大きく、1週間後江戸火災の死者数は不明となっているが明暦の大火・死者数10万人を越えるとの指摘がある。

発生した津波は:

相模灘から房総半島では津波の被害も発生し、熱海では7m程度の高さと推定される津波が押し寄せ、500戸ほどあった人家のほとんどが流出し、残ったのはわずか10戸程度であったという。また、鎌倉では鶴岡八幡宮の二の鳥居まで津波が押し寄せ由比浜大鳥居が破損、伊東では川を遡った津波が水害を及ぼしたという。津波は三浦で6 - 8m、九十九里辺りで5m、江戸湾(現在の東京湾)入り口の浦賀で、4.5mに達した。江戸湾内でも津波は影響を及ぼし、本所、深川、両国で1.5m、品川、浦安で2m、横浜で3m、稲毛では3 - 4m、さらに隅田川の遡上も記録されている。九十九里浜では海岸から5Km程度内陸まで到達し、現在の白子町では1000人、長生村では900人を越える犠牲者があった。

また、2005年に行われた館山市の元禄地震で離水したとされる元禄段丘を調査対象としたジオスライサーによる掘削調査では、少なくとも6 枚の砂層の重なりがある。この、6 枚の砂層の周期的な重なりは粘土粒子が降下するのに十分な間隔を置いて堆積したと特徴を持ち、少なくとも6 回の遡上する流れが発生したことを示している

何と、東京湾でかなりの津波が発生していました!

 1855年 安政江戸地震 M7.1 [安政江戸地震 - Wikipedia]:震源震源は荒川河口付近、死者1万人、火災が発生したが「地震直後に30余箇所から出火、朝から小雨で微風であったため大規模な延焼は起きず翌日の午前10時頃には鎮火」

津波は発生しておらず:

津波が起きたとする記録は無いが、地震動によって誘発されたと思われる川や溝の水が揺れ、はね上がる現象は生じていたと思われる。

 1923年 関東大地震 M7.9 [関東地震 - Wikipedia]:震源は複数説があり定まっていないが、河口湖〜神奈川西部〜相模湾中央・北側のいずれか又はすべて、で、火災が発生し死者10万5千人。

発生した津波は:

熱海では地震後5 - 6分で引波となり間もなく第1波が襲来し、さらに5 - 6分して第2波は7 - 8m、局地的に高さ12mに及び家屋流失 162戸、死者行方不明92名の被害が発生した。また、海岸から200m内陸まで、地盤高7mまでが浸水したとされている

初島 地盤が隆起し集落内に津波は侵入しなかった。津波の高さは漁港付近で1.8m程度、島の西側で3m程度

伊東では波高9mとなり海岸から浜海道までの集落はほとんど流失、宇佐美村でも111戸が流失した。下田町では波高2.5m、湾外では4m程度であった

鎌倉 地震直後に2 - 300m潮が引き、10分程で第1波が襲来し第2波が最大で、材木座付近で波高5 - 6mに達した

房総半島 伊豆程の津波とはならず概ね2m程度と3m超える所は少なかったが、相浜で高さ9mの津波を記録し63戸が流失した。館山測候所付近では、先ず引波が200m余、水深約9mに及び、来襲した津波の高さは1.8m程度であった。

外房沿岸 元禄津波で甚大な被害となったのとは対照的で、元禄津波は波高7m前後で10mに達した所もあるの対し、大正津波は2m前後であった

東京湾内・検潮所の記録では、深川、芝浦、千葉で両振幅1m程度であり、内房沿岸では東京湾内に向かって元禄津波よりも急速に減衰している

 という事で、過去事例として、東京湾では最大3〜4メートルの津波が来襲し、それは複数回に及んだ事が推測される、という事になります。 これはチャーコさんの仰る通りでした。 スミマセンというか、ご指摘ありがとう御座いました。

 3−4メートルの津波が来れば河川の遡上もともかく沿岸部の被害は甚大で、最も分かりやすいと思う首都圏水害の被害マップをハザード・ナビさんから挙げさせて頂きますと [首都圏 東京都のハザードマップ P.2]、荒川の堤防が決壊したと想定した場合の朝日新聞さん2010年4月記事のマップで(津波災害ではないが分かりやすいのはこれしかない、水害という事で類推して下さい):

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 一方、内閣府防災が公開している資料 [http://www.bousai.go.jp/kyoiku/bousai-vol/drill/h26/tokyo/tokyo03_kato.pdf] では、東京都の新たな地震被害想定として、東京湾の元禄関東大地震による津波を挙げており、そこでは満潮時に最大でも品川区で2.61メートルとしています。 私は、これって結構冷たいんじゃないの?と思っていて、Wikiでも元禄大地震時に品川で2メートルと言っており、横浜・稲毛は東京都ではないから、という事では?とゲスの勘ぐりをしています(間違いであればお詫び致します)。

  相模トラフのプレート境界で発生するM8クラスの関東大地震は発生間隔が200-400年とされており、現時点での発生確率は0〜5%です。 話はそれますが、この地震が来るより、今年の夏に線状降水帯が発生・停滞して荒川の堤防が決壊する方がよほど確率が高いように思えます。

 しかし、元禄関東大震災での死者が22万人とは知りませんでした! 強烈な数字です。

 

そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。

 

= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =

東進西進圧力表示・ピッチ36kmマップです。

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南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。

 

= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =

東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ東域です。  凡例は36kmマップと同じ。

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次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 根室沖はM7.8〜8.5の発生確率が80%と予想され、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の発生確率が90%と予想されています。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。

 

東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。

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相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。

次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 相模トラフ北側の神奈川・千葉・東京・埼玉・茨木南部での救急マークは要注意です、関東大地震関東大震災の再来ではありませんが、M6.7〜7.3の発生確率が70%と予想されています(南関東直下地震)。[海溝で起こる地震 | 地震本部]

 

東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ西域です。  凡例は36kmマップと同じ。

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南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。

次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。

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救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベルですが、日向灘はM7.1前後の発生確率が70〜80%と予想されており、要注意です。[海溝で起こる地震 | 地震本部]

 

= まとめです =

 2017年の放出エネルギーは過去最低でしたが 、2018年は上昇しました [2019-01 ここ26年間の地震放出エネルギー推移 - 地震の予測マップ] 。

 2019年は、2018年と同等かそれ以上の地震エネルギーが放出されると思われます。

 ここで救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。

 

という北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の超巨大地震が、いつ起きても不思議はないとの見方を示した。
北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の超巨大地震が、いつ起きても不思議はないとの見方を示した。
政府の地震調査委員「超巨大地震:北海道沖、M9地震予測 本州にも被害の恐れ」といった報道をするのであれば、注意喚起領域でM5.5クラスが来た時には「注意喚起情報」を出されるべきではないか、と思います。
政府の地震調査委員会

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら [テクニカル事項]

・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら [データ更新タイミング]

・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。

・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ [2018-12 太陽黒点数の推移を追う!直近48ヶ月グラフ表示 - なぜ地球磁極は逆転するのか?]  

 

= 以上です =

 

謝辞: 本予測は「気象庁文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。

免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。

引用:

[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。

[2] 防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網

[3] 気象庁|震源データ

[4] 地震情報 - Yahoo!天気・災害

[5] 過去巨大地震マップ - 地震の予測マップ

[6] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[7] こよみの計算 - 国立天文台暦計算室