2019-02-03 地震の予測マップ 首都直下地震とは何の地震を指しているのか?今日の寄り道
赤マークは東進圧力、青マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。
救急マークはスロー起因によるM5.0以上M5.5程度までの地震、救急マークが通常のM5.0以上地震を予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。
以下、2019年2月3日までのデータ1年分による解析&予測です。 [2], [3]
= その前に最新地震情報2月4日(M2.0以上、震度1以上)です =
Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、緑の星が震源位置
★ 2月4日13時45分、茨木沖でM3.4、深さ50km、震度1。
* 先日、 地震の準備をいろいろしなくては、、、とつぶやく「並木みさ(id:navimy)」さまから、心配事として:
首都直下型が来たらと思うと、、、
のつぶやきを頂戴致しました。 確かにこれは心配なのですが、はて?では具体的に首都直下地震とは一体何を指して言っているのだろ?と気になりましたので、調べてみました。 お付き合い頂けますよう、よろしくお願い致します。
* Wikiには ”首都直下地震” そのものの記事は見当たりませんが、コトバンクにありました [首都直下地震とは - コトバンク] ので、ここからの引用です。
東京都周辺の首都圏に最大級の被害をもたらす可能性のあるマグニチュード7クラスの大地震。東京を中心とする首都圏は、国の政治、行政、金融、経済などの中枢機能が集中した地域であることから、いったん大地震により大きな被害を受け中枢機能が損なわれると、その影響は国内のみならず海外まで広く及ぶことが懸念される。そのため、どのような被害地震を想定し防災対策を整備するかは重要な課題であり、以前から東京都防災会議、地震調査委員会、中央防災会議などで検討が行われてきた。
とあります。 ふむふむ、なるほど。
しかし実際に江戸、現在の東京都区内に過去に甚大な被害をもたらした地震は、1703年元禄の関東地震(マグニチュード8前後)、1855年安政の江戸地震(マグニチュード7前後)、1923年関東地震(マグニチュード7.9)の三つしか知られていない。
そうなんですよ、ちなみに:
・ 1703元禄の関東地震と1923関東地震(関東大震災の事)は、
[2019-01-25 地震の予測マップ 大正関東大地震・関東大震災を振り返り明日を知る!今日の寄り道 - 地震の予測マップ] で取り上げており(元禄は一部ですが)、
[2019-02-02 地震の予測マップ 地震注意喚起報!南関東直下地震の領域に救急マークが急拡大!今日の解説 - 地震の予測マップ] で取り上げています。
で、一体どの地震を指しているのだろう?と思って読み続けると:
中央防災会議の専門調査会では、このように参考になる過去の災害事例は少ないことから、過去の事例にとらわれず、陸側プレートの地殻内の活断層でおきる地殻内地震、沈み込むフィリピン海プレートと陸側プレート境界で発生するプレート間地震、沈み込むフィリピン海プレート内部で発生する地震など、各種の地震モデルをいろいろな地域に想定、断層モデルを仮定し地震動の影響を評価した。
やっぱり、仮定の話なんだ! その後、細かな仮定の地震の話が続き、最後にこう結んでいる:
これらはいずれも防災対策上の仮想の地震であり、今後実際に発生するかどうかはわからない。このように首都直下地震は過去に発生した実際の大地震とは区別すべきであるが、地震発生時の各種の応急対策、復旧対策、首都機能の維持などの防災対策は、これらの地震による被害想定を参考に進められている。
* 今日の結論は難しいです。 確かに防災対策を作成し遂行する上では役立っていると思います。 ここまで想定していれば大丈夫でしょう。 ですが、言葉は独り歩きします。
私は次に首都圏で起きる地震で注意すべきは、東京湾だと思います。 昨日の記事を見て頂ければ分かるように、南関東直下地震は、発生確率70%の周期数十年単位で発生する地震で、最後の地震は1987年千葉九十九里浜であり、既に32年が経過しています。 そして東京湾では過去少なくとも3回はM7前後の地震を起こしています。
首都圏での地震災害は何しろ火災による災害です。 人口密集地帯は危険です。 また家具の転倒防止が不可欠で、以下に東京消防庁作成のハンドブックを示します:
東京消防庁<東京消防庁電子図書館><家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック>
そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状をレポートするhappy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。
= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =
東進西進圧力表示・ピッチ36kmマップです。
南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。
= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ東域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・東域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 根室沖はM7.8〜8.5の発生確率が80%と予想され、三陸沖北部・日高南部沖・日本海溝西側の領域はM7.1〜7.6の発生確率が90%と予想されています。 [海溝で起こる地震 | 地震本部] 発生確率は2018年1月1日を基準日として30年以内の発生確率です(以下同様)。
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。
相模トラフ上は青マーク群で覆われており赤マークはありません。 これは関東大地震・関東大震災の再来について注意レベルであり危険レベルではない事を示します。
次がポイント予測・中域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 相模トラフ北側の神奈川・千葉・東京・埼玉・茨木南部は要注意です、関東大地震・関東大震災の再来ではありませんが、M6.7〜7.3の発生確率が70%と予想されています(南関東直下地震)。[海溝で起こる地震 | 地震本部]
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ西域です。 凡例は36kmマップと同じ。
南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。 現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。
次がポイント予測・西域 救急マークはM5.0からM5.5程度のスロー起因地震、救急マーク がM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。 南海トラフはまだ救急マークが少なく通常の注意レベルですが、日向灘はM7.1前後の発生確率が70〜80%と予想されており、要注意です。[海溝で起こる地震 | 地震本部]
= まとめです =
* 2017年の放出エネルギーは過去最低でしたが 、2018年は上昇しました [2019-01 ここ26年間の地震放出エネルギー推移 - 地震の予測マップ] 。
* 2019年は、2018年と同等かそれ以上の地震エネルギーが放出されると思われます。
* ここで救急マークは、M5.0以上の地震ヶ所をピンポイントで予測しています。
最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。
・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら。 [テクニカル事項]
・「地震の予測マップ」のデータ更新タイミングの説明はこちら。 [データ更新タイミング]
・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら。 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。
・「太陽黒点数の推移を追う!」は別ブログへ。 [2018-12 太陽黒点数の推移を追う!直近48ヶ月グラフ表示 - なぜ地球磁極は逆転するのか?]
= 以上です =
謝辞: 本予測は「気象庁・文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。
免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。
引用:
[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。
[3] 気象庁|震源データ