2018-12-20 地震の予測マップ マントル物質の大循環?今日の寄り道
赤マークは東進圧力、青マークは西進圧力を示す圧力方向の解析表示です。
救急マークはM5.0以上の地震を予測する注意ポイントで、6kmマップにあります。
スロースリップ [1] 起因にも対応して救急マーク予測注意ポイントは生成されます。
以下、2018年12月20日までのデータ1年分による解析&予測です。 [2], [3]
= その前に最新地震情報12月21日(M2.0以上、震度1以上)です =
Yahooさん [4] より掲載(元データは [気象庁] さん)、緑の星が震源位置
★ 12月21日2時2分、カムチャッカ半島付近でM7.3。 [kam] 描画範囲外 いよいよ来ました、千島海溝沿いは要注意です。
★ 12月21日6時1分、胆振でM3.5、深さ30km、震度3。 M3.5で震度3というのが普段と違い揺れが大きく、発生場所も9月胆振地震と同じではなく東側です。
★ 12月21日13時13分、福島沖でM4.1、深さ50km、震度2。
地盤によって揺れは大きく変わります 小さなMでも大きな揺れになる事があります。
耐震対策として、本棚・タンス等の転倒防止が必要です。 寝室は特にご注意下さい。 東京消防庁作成の「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」は大変参考になります。 是非、ご一読下さい。
今日の寄り道: マントル物質の大循環?
* 今日の寄り道は、マントル物質は数十億年かけて海底堆積物とマントル深部の間で大循環している、という内容です。 海洋開研さん [海底堆積物がマントル深部を巡る大循環をしていたことが判明] 2018年8月14日の記事の紹介です。
* ハワイやアイスランドをはじめとした海洋島火山は、マントル深部から上昇してきた物質が融解してできた玄武岩質マグマにより形成されています。 南太平洋にあるピトケアン島やラロトンガ島も海洋島火山で、マントル上昇流(マントルプルーム)により火山活動をしています。
上図は太平洋プレートのイメージが良く出ていると思います(私は好きです)。 脇道にそれますが、ハワイ西方の天皇海山列とその方向変化が良く分かります。 この名称は1954年アメリカ海洋学者ディーツが海山ひとつひとつに歴代天皇の名前を付けて、天皇海山列(Emperor Seamount Chain)と命名したからだそうです、知りませんでした。
下図はWiki火山地図 [火山 - Wikipedia] からです。
東太平洋中央海嶺もマグマが噴出するので火山ですがマントルプルームではなく、この辺りが我々には分かりにくい、という事は言えます。 ピトケアン島やラロトンガ島の位置に赤ポチが在ります。
* ピトケアン島とラロトンガ島を構成する玄武岩を調べた所、玄武岩の中では最も低いマグネシウム同位体比を有している事を発見しています。 これはピトケアン島とラロトンガ島のマントルプルームのマグネシウム成分が物凄く古い、という事で、海底堆積物にあった物質が数十億年続くマントル対流によって地球内部に運ばれて循環し、再びマントルプルームとして地表に現れた、と解釈しています。
ここでは循環を25億年としています。 マグネシウムの放射性同位元素崩壊の観測値からそのような数値を算出していると思います。 25億年の循環というとパンゲアの3〜4世代前の超大陸の海溝から沈み込んだマグネシウムである、という事になります。
* ピトケアン島とラロトンガ島が単に25億年前から在ったんじゃないの?という疑問も生じますが、それは他の放射性元素崩壊(例えばウランto鉛の崩壊)でそんなに古い時代に固まった玄武岩ではない、という事を確認しているのだと思います。
そして被災地は今... [happy-ok3の日記] 地震・豪雨・台風と、被災地の現状を連日アップデート&レポートしている happy-ok3 さんの考えさせられるブログです、関心を持ち続けて欲しい と。
= 地震の予測マップ・ピッチ36kmマップです =
東進西進圧力表示・ピッチ36kmマップです。
南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島におかれましては、上図圧力表示にてマークが出ている所にご注意下さい。 M5.0以上の発生可能性がある注意ヶ所となります。
= 地震の予測マップ・ピッチ6kmマップとポイント予測です =
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ東域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・東域 救急マークがM 5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ中域です。 凡例は36kmマップと同じ。
次がポイント予測・中域 救急マークがM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。
東進西進圧力表示・ピッチ6kmマップ西域です。 凡例は36kmマップと同じ。
南海トラフは、上に赤マーク群・下に青マーク群が出ると危険です。
現在全体として注意レベルですが、危険レベルではありません。
次がポイント予測・西域 救急マークがM5.0以上の発生予測注意ポイントです。
救急マークの予測ポイントはすべて注意、津波に警戒です。
= まとめです =
本年9月の胆振地震は [北海道胆振東部地震 - Wikipedia] によればM6.6(防災科研さんのデータではM6.2)。 10月には国後島付近でM6.2が発生しています。
2017年の放出エネルギーは過去最低でしたが 、2018年は確実に上昇するでしょう [2018-11 ここ25年間の地震放出エネルギー推移 - 地震の予測マップ] 。 今後、海底で起きる津波を伴う海底海溝型地震と、被害が甚大となる陸地の浅い所で発生する陸地直下型地震に警戒が必要です。 またスロースリップとそれに伴う地震が太平洋沿岸で多発しています。
救急マークは、これら海底海溝型と陸地直下型とスロースリップ起因をピンポイントで予測しています。
最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。 「地震の予測マップ」は、明日も報告致します。 よろしくお願い致します。
・ 東進西進の原理、東進西進の識別方法、等の説明はこちら。 [テクニカル事項]
・ 地震の予測マップのデータ更新タイミングの説明はこちら。 [データ更新タイミング]
・ 国土地理院さん提供の地殻変動マップはこちら。 最新の地殻変動情報 javaがインストールされている必要があります。
・ 「放出エネルギーと黒点数の推移」は別ブログへ。 [2018-11 太陽黒点数の推移を追う!直近48ヶ月グラフ表示 - なぜ地球磁極は逆転するのか?]
= 以上です =
謝辞: 本予測は「気象庁・文部科学省が協力してデータを処理した結果」の「気象庁一元化処理震源要素」データ一年分(暫定)を「防災科学技術研究所」サイトよりダウンロードして解析しています。 [2] このデータによって初めて一般にリアルタイム解析が可能となったもので、構築にご尽力頂きました各国立大学、各官庁と関連する機関、都道府県と関連する機関、等の関係各位殿に深く謝意を述べさせて頂きます。
免責: 本予測は個人の推論によるもので、プログラムバグやデータ解釈ミス等も含め、ここで表示された結果について何ら責任を負うものではありません。
引用:
[1] スロースリップ - Wikipedia プレートがゆっくりと移動し大きな破壊を伴わずにエネルギー解放する現象ですが、プレート周辺には応力歪が伝搬され、これが原因で周辺では通常の地震が生じます。 「地震の予測マップ」ではスロースリップ起因の周辺地震を予測しています。
[3] 気象庁|震源データ
[6] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測